星の降る夜、僕は君に嘘をつく。
「曲調的に手はこれでしょう?」

椿先輩が中指から小指を握り、人差し指と親指を立たせ、銃のハンドサインをする。

私たちはその様子に頷く。

「とりあえず田崎君の案やってみるか。聖也。」

そうして先輩方は立ち上がり鏡の前で座る。

「向かい合わせダサいな。逆。」

そうして二人は背中合わせでしゃがんだ。

「これもあんまだね、いっそもう一人増やす?」

あれ?椿先輩、今怖いこと言わなかった?
“もう一人”って。

「そうだな、心春来て。」

やっぱり、軽くため息をこぼして二人の近くに立った。

「心春、間入って。一旦立て膝してみて。」

私は言われた通りに立っている二人の間に立て膝になる。
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