星の降る夜、僕は君に嘘をつく。
「心春ちゃん、今日は外さないの?」
櫻さんは私を見てちょっと驚いているようだ。
「ああ、ホントだ。すっかり忘れてた。」
私は頭に手を乗せてピンをはずす。
するとするりと黒髪が落ちる。
そう、これはニセモノのウィッグ。
隠しているのは金髪に近い栗色のショートボブの髪。
ショートボブは私の好きな歌手を真似た。
この髪は私の血筋を示している。
母方のおばあちゃんはフランス人でおじいちゃんはイギリスと日本のハーフ、だけど、お父さんは純日本人。
つまり私の8分の1はイギリス人で4分の1はフランス人、残りは日本人。
だから私の髪は栗色、目は青みがかっている。
そのせいで私は小学生の頃イジメられてきた。
だから中学に上がる時に隠すようになった。
隠すようになってから1年半経って、わかったこともあった。