明け方の眠り姫
和史の結婚式の夜、泣き疲れた私は、要くんに頭を撫でられながらいつの間にか眠っていた。
朝目覚めると、私だけベッドの中にいて、要くんは私と手をつないだまま、床に腰を下ろして眠っていた。
「夏希さん、すっごく可愛かったんだよ。僕が夏希さんから手を離そうとすると『離しちゃやだ!』ってぎゅって僕の手を握り締めて……」
要くんは、時おり思い出しては照れたように笑っていたけど、私にはそんな記憶はない。
ただ、右手から伝わる体温が温かくて……愛おしくて、安心しきった私は、本当に久しぶりにぐっすりと朝まで眠ることができた。
これで不眠を克服できたと思ったのも束の間、また私に眠れない日々が訪れた。そして毎夜、浅い眠りの中で、無意識にあの夜の温もりを探してしまう。
そして、気がついた。あの夜、私に深い眠りが訪れたのは、きっと要くんが側にいてくれたからだ。
眠れない日々に耐えかねた私は、再び私の部屋を訪れた要くんに、思い切って『お願い』をした。
「ねえ、要くん。一つお願いがあるんだけど」
「どうしたの、夏希さん」
「実は私、あの夜以来どうしても一人では眠れないの。……私が眠るまででいいからあの時みたいにしててくれない?」
「……いいよ、もちろん」
一瞬、驚きで目を見開いたあと、要くん口元を綻ばせ頷いた。私のお願いを受け入れてくれた要くんは、それから毎日のように私の元へやって来る。そして私が眠りに着くまで、手を握っていてくれるのだ。
こうして私は、ようやく安息の夜を手に入れることができた。
朝目覚めると、私だけベッドの中にいて、要くんは私と手をつないだまま、床に腰を下ろして眠っていた。
「夏希さん、すっごく可愛かったんだよ。僕が夏希さんから手を離そうとすると『離しちゃやだ!』ってぎゅって僕の手を握り締めて……」
要くんは、時おり思い出しては照れたように笑っていたけど、私にはそんな記憶はない。
ただ、右手から伝わる体温が温かくて……愛おしくて、安心しきった私は、本当に久しぶりにぐっすりと朝まで眠ることができた。
これで不眠を克服できたと思ったのも束の間、また私に眠れない日々が訪れた。そして毎夜、浅い眠りの中で、無意識にあの夜の温もりを探してしまう。
そして、気がついた。あの夜、私に深い眠りが訪れたのは、きっと要くんが側にいてくれたからだ。
眠れない日々に耐えかねた私は、再び私の部屋を訪れた要くんに、思い切って『お願い』をした。
「ねえ、要くん。一つお願いがあるんだけど」
「どうしたの、夏希さん」
「実は私、あの夜以来どうしても一人では眠れないの。……私が眠るまででいいからあの時みたいにしててくれない?」
「……いいよ、もちろん」
一瞬、驚きで目を見開いたあと、要くん口元を綻ばせ頷いた。私のお願いを受け入れてくれた要くんは、それから毎日のように私の元へやって来る。そして私が眠りに着くまで、手を握っていてくれるのだ。
こうして私は、ようやく安息の夜を手に入れることができた。