明け方の眠り姫
テーブルに頬杖をつき、ぼんやりと外の景色を眺めていた私は、綾ちゃんが運んできたばかりの珈琲を口に含んだ。
「あつっ!」
熱い液体が喉を焼き、空っぽの胃を刺激する。
「うわ。夏希さん、大丈夫?」
「ええ、大丈夫……って、またあなたなの?」
目の前に差し出されたナプキンを取ろうとして、慌ててその手を引っ込めた。
顔を上げると、さらさらの前髪から覗くアーモンドアイが私を見つめている。相変わらず、男のくせに見ているこっちが嫌になるくらい綺麗で整った顔立ちをしている。
「うん、今日も来たよ。おはよう夏希さん」
そう言うと、要くんは断りもなしに私の向かいの席に腰かけた。
きっとまた、仕事を抜け出して来たのだろう。実家の酒屋を手伝っている要くんは、Tシャツにグレイのカーディガンを羽織っただけのラフなスタイルだ。モデルか新進の俳優のような美しい顔に反し、その手は大きくごつごつとしていて、節くれだっている。力仕事をしている男の手だ、と思う。
私はと言えば、さっきから通りを行くOL達がちらちらとこちらを覗いているのが気になっていた。顔もスタイルもいい彼は、とにかく人目を引くのだ。居心地悪く感じた私は、冷めはじめた珈琲を飲むふりをして寝不足の顔を隠した。
きっと相手なんて選び放題だろう。アラサーの、しかも仕事が恋人の色気のない私に構う必要なんてないはずだ。
それなのに、どういうわけか私は最近この男の子に付きまとわれている。
「あつっ!」
熱い液体が喉を焼き、空っぽの胃を刺激する。
「うわ。夏希さん、大丈夫?」
「ええ、大丈夫……って、またあなたなの?」
目の前に差し出されたナプキンを取ろうとして、慌ててその手を引っ込めた。
顔を上げると、さらさらの前髪から覗くアーモンドアイが私を見つめている。相変わらず、男のくせに見ているこっちが嫌になるくらい綺麗で整った顔立ちをしている。
「うん、今日も来たよ。おはよう夏希さん」
そう言うと、要くんは断りもなしに私の向かいの席に腰かけた。
きっとまた、仕事を抜け出して来たのだろう。実家の酒屋を手伝っている要くんは、Tシャツにグレイのカーディガンを羽織っただけのラフなスタイルだ。モデルか新進の俳優のような美しい顔に反し、その手は大きくごつごつとしていて、節くれだっている。力仕事をしている男の手だ、と思う。
私はと言えば、さっきから通りを行くOL達がちらちらとこちらを覗いているのが気になっていた。顔もスタイルもいい彼は、とにかく人目を引くのだ。居心地悪く感じた私は、冷めはじめた珈琲を飲むふりをして寝不足の顔を隠した。
きっと相手なんて選び放題だろう。アラサーの、しかも仕事が恋人の色気のない私に構う必要なんてないはずだ。
それなのに、どういうわけか私は最近この男の子に付きまとわれている。