私があなた。あなたが私。
―――放課後――――
伴を待ちながらホラー小説を読んでいると、沙穂がこちらへ歩いてきた。
そして…ゆっくり口をひらいた。
『薫ちゃん…どうして戻りたくないの…??私…早く戻りたくて
黒魔術…覚えちゃったぁ…』
不吉な予感が頭の中を横切った。
残酷に。
―――ヤバイ――――
そう感じた。
此処にいたらヤバイ。
『ねぇ、薫ちゃん…私、夢で薫ちゃんを殺してる…今は…あなたが一番邪魔なの…』
にやにやと沙穂が笑った。
ココカラニゲロ。
逃げたい。
でも…足がまるで紐で縛られてるように動かない。
『………………ッ!』
やだ。やだ。やだ。
此処で死にたくない。
『ふふ…戻るというならこんな事しないのにね。』
じりじりと近付いてくる。
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