今の私は一週間前のあなた
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修也が死ぬ一年前。私と修也が付き合った日
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高校一年の11月27日
私は修也に思いを馳せていた
ずっと
好きだった
両親同士が仲良くて
ついでに家も隣で。
保育園の時からずっと一緒だった
しゅーくん
しゅうやくん
しゅうや
修也
ケンカもしたけど
すぐに謝って仲直りして
クリスマスとかお正月も一緒にいて
家族同然。
いや、家族よりも仲のいい
…そんな仲だった
だけど、中学のとき修也に彼女ができて
私は自分の想いに気がついた
私は本当は修也のことを家族なんて思ってなかった
彼女がいるくせに
修也は私に笑うから。
私は深い沼にはまったように抜け出すことのできない恋に溺れてしまった
2人は1ヶ月くらいで別れたけれど、一度気がついてしまった恋にはもう目をそらす事が出来なくなった
あいちゃん
あいのちゃん
あいの
藍乃
「藍乃!帰ろう」
「…うん」
クリスマスの1ヶ月ほど前
明日が私の16の誕生日という日
私たちはいつものように
帰ろうとしていた
「…藍乃さん。ちょっといいかな」
「…え…?相良くん?」
二人でいつものように帰ろうとしていたら
突如相良くんに声をかけられた
「…修也。ごめん先に帰って…」
「ここじゃ言えねーの?」
なんだか不機嫌な修也
さっきまでは なんともなかったのに
「…ここでも問題はないけど…。修也は聞いて嬉しいものじゃないんじゃない?」
優しい微笑みとは反対にいつもとは違う低い声の相良くん。
喧嘩腰の2人にどうしたらいいのかと私が戸惑っていると
先に口火を切ったのは相良くんだった
「俺。藍乃さんが好きだ。付き合って」
少し赤い顔が嘘ではないと告げる
初めての告白に戸惑っていると修也と目があった
嬉しい…けど
私は修也が…
「私…っ」
「よかったね。藍乃
彼氏できるじゃん」
前々から「彼氏欲しい」とこぼしていた私。
修也がいつか「俺がなってやるよ」って言ってくれることを期待して…。
無理だってわかっていても
諦めることなんて出来なかったから…
遠回しでもアピールすることをやめなかった
でも
『よかったね』
そうやって修也は笑った
自分が馬鹿みたいに言った言葉が鋭いトゲになって返ってきたように
心が痛くて
苦しくて苦しくて
「…うん…」
耐えられなくなって
どうしようもなくなって
私は頷いた