女ノ敵系男子 黙示録
「そのー…差し出がましいかもしれないけど…よければ俺が勉強教えてあげようか…?なんて。」

「そ、そういえば蘭丸さんの制服…英明高校のですね…」

「そうなんだ。俺これでも少しは勉強できるから…あ、数学は得意かな!」

「ふふ…分かりました。ではお願いしてもいいですか?」

「願ったり叶ったり。やったね。」

「蘭丸さんって本当に面白いです。大人のようで…子供のような…」

「あれ?子供っぽかったかな?大人なフリしてたけど」

「いえ。今はなんだか紳士に見えます。」

「なら淑女をエスコートするのが俺の役目かな」

「本当…セリフが30代後半くらいの臭さです…」

彼女はまた笑ってくれた
俺にとってはそれが何よりの馳走だ


「あはは…ごめんねなんか。」

「いいえ。素敵だと思います。」


俺らは連絡先を交換した
この再開は後にいい意味でも悪い意味でも波乱を起こす事になるとはいざ知れずに。





帰宅。
足取りは軽い。
軽いというか今ならフルマラソン完走できそうな気持ちの高揚を感じる




「ただいまーってえ!誰も居ねーか!」




「…いるんだが?」




「ファッ!?おま、あ、杏子(あんず)か!あービビった!
幽霊か貴様!てかお前帰ってきたのか?」


こいつは家出してた俺の妹だ。



「…ちょっと服取りに来ただけだし。すぐまた出る」

「まー待てよ!飯食ってかね?」

「は?いらんし…」

まるで漫画かのようなタイミングで杏子のお腹の虫がなった

「まあまあ。食ってけよ。」

「…はあ…わかった…」

全く…可愛くない妹だ。
漫画の中ではあんなに可愛いのに現実はどーしてこうなるのやら。



俺は早速支度する
今日は色々と気分がいいからルンルンで支度をする


「バカにい。まだ?」

「誰が馬鹿じゃ愚妹よ。兄を敬え」

「…はいはい」

「あ、そうだ音葉も呼ぶか?」

「おとちゃん?なんで?」

「まあいいじゃん。メシはみんなで食ったほうがうめえって!」

「…まあそうね。呼べば?」


ふてぶてしい…こやつ!
誰に似たのやら!!(お前だ)


電話を鳴らす
トゥルルン

「おと?」
「らん?」

「杏子帰って来たんだが」
「マジ?来るわ」

「話早くて助かる。じゃ。」


20秒後に来た。
はっや笑


「杏子ー!」
「おとちゃん。」
「もー!ちゃんと家帰りなよー。」
「…うん…」
「らん寂しがってたよ?」
「キモ」


「おいちょっと待て。嘘はいけない音葉くん」


「またまたー。なんか元気いいもん蘭。」


「それはま、別の理由かな。」


「なーにー?女?」
「にい、まーだ女遊びしてんの?笑」



「うるせおまえら! いやまあ女だけどー…そういうのではない!
断っ!!じて!!」


「?」
「?」



「いや…これは…恋…?てやつかな?」



しばらくの沈黙の後、2人は読んで字のごとく
抱腹絶倒。
笑い転げる



「こ、恋ww」
「あんず、やっぱこいつ頭打ってるw昨日あたりからおかしいもんww」
「いや…これは…恋…?てやつかな?ww」
「www さすが兄妹ww上手いww」
「ギャハハww」
「ヒィーww」



俺はそこのメス2匹を鉄拳により制裁した。




「いただきまーす!」
「いただきまーす!」


「おう。食いなさい。」


「美味しゅうございます。兄上。」
「美味しいでございますわ。蘭丸さん」



「結構。ハンバーグ初めてにしてはうまくできたんじゃないかな」



「ところでさー、らん。恋ってなによ?」


「ふふ、聞きたいか?」



「うんwき…聞きたいww」
「おとちゃんw笑っちゃダメだよw」


「ほう、まだ殴られたいか?」




「そんで?どったの、突然恋って。」


俺は馴れ初めを話した

そう。俺の恋の相手は翔子だ。

連絡先まで交換したところまで話した



「へー。可愛いんだ。見せてよ。」

「あーいや、写真とかはないわ」

「ふーん。ま、らんが可愛いって言うくらいだから可愛いんだろうけど。」

「そう…お嬢様チックなところもまた…奥ゆかしい…」

「そっ。クリスマスまで間に合う?」

「間に合わせようではないか。」

「えー!私もなら焦らないとなあ…」
「おとちゃんモテるっしょ?」
「まーねー♪あんは?」
「私はー…んんー…ダメンズばっかりかな…」
「もー。それはそうとちゃんと帰って来てよ。あんいないと私さびしいよ。」
「ごめん…おとちゃん…でも私…あの女嫌いだもん…」


俺も嫌いだ。
そう。あの女とは真理子、母だ。


「にい、最近いつババア帰って来た?」


「いや、最近はめっきり帰ってこないな」


「ほー。だーから女連れ込みまくってるのかー。」

横槍が入る

「にい、もーやめれば?そう言うの。おとちゃん可哀想」

「なんでおとが可哀想なんだよ」

「え?付き合ってないの?」

「ねーよ。」

「そっかあ…エッチくらいはしたでしょ?」

「こら杏子!エッチとか言うな!そしてしてない!」

「え!そーだったの!?へー。」



「はーい!!この話は終わりー!蘭のその恋の相手の話詳しく!!」

音葉は…空気を読んだのか…んん
まあいい。合わせることにする

「今度…勉強会するんだ」

「うわ!ヤラシー!なんの勉強ですかねえ…杏子さんや…」
「本当に…最近の若者は…乱れてますねえ…音葉さんや…」


「おまえらほんとは姉妹か?打ち合わせもなしによくそんな小芝居打てるな」


「我ら!生まれし時は違えど死ぬ時は一緒也!」
「義姉妹の契りをばこの桃の花に!」


「ハイハイワカッタワカッタ。とりあえず!いっときはババア帰ってこないからちゃんと家には帰ってこい杏子。」


「…うん。」
「いいお兄さんですなあ」
「本当 シスコンロリコン死ねきもい」
「愛されてますなあ」
「キモいキモい死ね死ね」

俺は文字通り愛の拳骨をお見舞せてあげた
漫画の世界だったらプクーってたんこぶができたであろう。



杏子が帰ってきた。
最近なんか、いい事多いかもな。


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