女ノ敵系男子 黙示録
明日は学校だ。
多分 音葉が起こしにくる
最近唐突に現れるようになった
前はちょくちょくくらいだったのに最近は決まって毎日だ
て、事で今日は俺が早起きして音葉に朝飯を食わせてみることにした
まあちょっとした余興だ。
いつも世話になりっぱなしはあれだし。
ドター!!
「おっ邪魔しまーす!らんー!」
バタバタ!!
「あれ!?らんがおきてる!」
「本当うるさいなお前…ご近所様に迷惑だろうが…」
「そうです!私がご近所様です♪」
「るせばか殿!ちょっと朝飯作ってみたんだけど食う?」
「…?」
「…?」
「やっぱラン頭打ってるね…病院行こうか」
「おい。」
「うそうそ、ちょっとびっくりしただあーけ!
てか料理できたんかい!」
「まああれだけ見てたらな。」
俺は音葉が食事を作る工程をよく観察していた
洗礼されたその手捌きは見てて面白いものがあったし。
「へー感心感心…どれどれ…いただきまーす。」
「おう。存分に食べなさい。」
「うん。美味しい。」
「だろ?」
「私に比べたらまだまだだけどねー!」
「いつも一言多い!黙って食え!」
「一言多いのはお互い様やし!うんでもよくできてるじゃん!美味しいよ!」
「そうか。ならまた美味しいの作り方今度教えてよ。」
「ん!いーよー。」
やっぱりこの時間は好きだ。
俺は最近ではもうお馴染みになった音葉を自転車の後ろに乗せて学校へと行く。
…放課後
俺はふと本屋に寄る事にした
その、料理の本を買う事にした
まあ、音葉もああやって食べてくれるのは嬉しいし、自分が食う分もそりゃ美味しいほうがいいに決まってる
美味しい飯を出せば妹も帰ってくるかもしれないし。なんて。
LIMEを開く
"おと、今日俺のチャリ乗って先帰ってて。本屋寄ってくる"
"本?やっぱ頭打ったんじゃ…笑笑"
"いーから。ならな。"
"ほーい。道草食うなよ笑"
うん。今日は道草(女)は食わない。多分笑
さて。
本屋に寄る
ゲーム買うのとDVD借りるの以外に来たことのないTOTAYAに俺は足を運ぶ
この行為は俺の人生を左右したのではないか?といっても過言ではなかった
そんな出来事が起きる。
本屋に入る
色んな人がいる。そりゃそうだ
せっかくなのでいろんなコーナーを物色する
ファッション雑誌
漫画
恋愛小説
趣味娯楽雑誌
成人雑誌…フフ…
参考書コーナーを回った時だ
その中で1人、棚の上の方を手に取ろうとしてる女を見た
その女は女子高生の制服、確か泉ヶ丘だよなあれ。
精一杯背伸びしているがその手は惜しくもその本が取れずにいる
後ろ姿からも分かる いい女だ
そういうやましい気は無かった(いや嘘か…笑)が、俺は自慢の身長を駆使して彼女のお目当ての本を取ってあげた
あ、
その子は翔子だった。
向こうも気付いたらしい
「あっ…」
「…」
「久しぶり…?かな?」
「あ、あの…この前は…ありがとうございました…」
「え?ああ…うん。」
「あの…お金。お返しします」
「あいや!お金はいいよ。」
「でも…」
「あー!じゃあさ!本買ったらそこのとなりの喫茶店でお茶しようよ!それでいいからさ!」
「…あ、はい…分かりました」
「うん。こっちこそありがとう。あ、これ。はい。」
彼女が取ろうとしてた本を俺は手渡す
「あの…」
「ん?」
「これじゃないんですよ…」
「あっ?え、ごめん!どれ?」
「隣の…です」
「あははーごめんねえ」
我ながら格好つかないな…笑
参考書か。
真面目なんだな。
「ありがとうございます…あの…えっと…あなたは…」
「あ、蘭丸でいいよ。」
「ごめんなさい…蘭丸さんはどうして本屋に?」
「あー俺はちょっとね。料理の本を買おうかなって。」
「えっ?」
「あれ?…なんか俺変なこと言った?」
「え!いや…その…なんか意外で…」
「はは…そうだよね。」
「でも!…なんか…いいと思います…」
「うん。ありがとう。」
俺はちょっと笑ってみせた
その笑みにほだされてくれたのかは分からないが俺は初めて彼女のはにかむ顔を見た
「本当…意外です。…」
…
俺はサッと本を買い彼女と一緒に喫茶店に入った
洒落た店だな
初めてきた。
「私…初めて来ました…」
「うん、俺もこの店初めて。」
「あ、いえ…男の人と…2人きりでこういうのは初めてです…」
「そうなんだ。初めてが俺でよかったかな?」
「なんだか…返答に困りますね。」
また彼女は笑ってみせた
やっぱり…この子は俺の心を引っ掻きまわす
この笑顔を独占したいと思った。
俺は適当に一番美味しいのを、とマスターに頼んだ
マスターは一瞬怪訝な顔をした
そりゃませたガキだって思うだろうな。
俺はコーヒーは好きだから本心でそう言ったのだがマスターからしたら女の前でカッコつけた色ガキに見えたのだろう。
人間とは誤解しやすいのだ
彼女はミルクティーを頼んだ
ほほう…なんかお紅茶を頼むなんてお嬢様っぽい…
「あの。蘭丸さん…実は私、あれからあなたにお金を返そうと思ったんですけど…連絡先がわからなくて…」
「あー…そうだったね。までもなんか翔子ちゃんとはまた会えるような気がした。」
「蘭丸さんって…気障なんですね。」
「あ、ごめんね。というかも一回会いたかった。てのが本音かなー。はは。あ!でもストーカーとかじゃないよ!?今日、本屋であったのは本当偶然!」
「ふふ…蘭丸さん面白いです。
最初にお会いした時はなんか…怖かったんですけどね…」
「うん。ごめんね。俺も軽率だったと思う」
「いえ。今こうやってお話しできたと思えば…いいんです。」
「うん。俺も話せてなんか嬉しいよ。」
「あの、さっきは料理の本を買ってたのは…お料理なされるんですか?」
「あー、まあ家庭料理少しね。ウチ、親居ないようなもんだから。」
「そうなんですか…つかぬ事をお聞きしました。ごめんなさい。」
「謝ることじゃないよ。ちょっとね。あ、それとやっぱり俺、料理に合わないかな?」
「いいえ。素敵だと思います。先程までは…その…怖い人だって私、勘違いしてましたので…でも今は似合うと思います。」
素直に嬉しかった
女に褒められてここまで本気にするなんて俺はどうかしてる
「ありがとう。翔子ちゃんは参考書?買ってたよね?」
「はい。私…お恥ずかしいことに成績があまり良くなくて…母に怒られてしまいました。」
ばつが悪そうな顔を彼女はする
くそおお…チョッキュードマンナカストライクだ…
「そうなんだ。頭良さそうに見えるけどね」
「そんなことは…ないです。でもちょっと嬉しいです。」
なんとも素直な子だ。
俺は素直な子が好きだ。
多分 音葉が起こしにくる
最近唐突に現れるようになった
前はちょくちょくくらいだったのに最近は決まって毎日だ
て、事で今日は俺が早起きして音葉に朝飯を食わせてみることにした
まあちょっとした余興だ。
いつも世話になりっぱなしはあれだし。
ドター!!
「おっ邪魔しまーす!らんー!」
バタバタ!!
「あれ!?らんがおきてる!」
「本当うるさいなお前…ご近所様に迷惑だろうが…」
「そうです!私がご近所様です♪」
「るせばか殿!ちょっと朝飯作ってみたんだけど食う?」
「…?」
「…?」
「やっぱラン頭打ってるね…病院行こうか」
「おい。」
「うそうそ、ちょっとびっくりしただあーけ!
てか料理できたんかい!」
「まああれだけ見てたらな。」
俺は音葉が食事を作る工程をよく観察していた
洗礼されたその手捌きは見てて面白いものがあったし。
「へー感心感心…どれどれ…いただきまーす。」
「おう。存分に食べなさい。」
「うん。美味しい。」
「だろ?」
「私に比べたらまだまだだけどねー!」
「いつも一言多い!黙って食え!」
「一言多いのはお互い様やし!うんでもよくできてるじゃん!美味しいよ!」
「そうか。ならまた美味しいの作り方今度教えてよ。」
「ん!いーよー。」
やっぱりこの時間は好きだ。
俺は最近ではもうお馴染みになった音葉を自転車の後ろに乗せて学校へと行く。
…放課後
俺はふと本屋に寄る事にした
その、料理の本を買う事にした
まあ、音葉もああやって食べてくれるのは嬉しいし、自分が食う分もそりゃ美味しいほうがいいに決まってる
美味しい飯を出せば妹も帰ってくるかもしれないし。なんて。
LIMEを開く
"おと、今日俺のチャリ乗って先帰ってて。本屋寄ってくる"
"本?やっぱ頭打ったんじゃ…笑笑"
"いーから。ならな。"
"ほーい。道草食うなよ笑"
うん。今日は道草(女)は食わない。多分笑
さて。
本屋に寄る
ゲーム買うのとDVD借りるの以外に来たことのないTOTAYAに俺は足を運ぶ
この行為は俺の人生を左右したのではないか?といっても過言ではなかった
そんな出来事が起きる。
本屋に入る
色んな人がいる。そりゃそうだ
せっかくなのでいろんなコーナーを物色する
ファッション雑誌
漫画
恋愛小説
趣味娯楽雑誌
成人雑誌…フフ…
参考書コーナーを回った時だ
その中で1人、棚の上の方を手に取ろうとしてる女を見た
その女は女子高生の制服、確か泉ヶ丘だよなあれ。
精一杯背伸びしているがその手は惜しくもその本が取れずにいる
後ろ姿からも分かる いい女だ
そういうやましい気は無かった(いや嘘か…笑)が、俺は自慢の身長を駆使して彼女のお目当ての本を取ってあげた
あ、
その子は翔子だった。
向こうも気付いたらしい
「あっ…」
「…」
「久しぶり…?かな?」
「あ、あの…この前は…ありがとうございました…」
「え?ああ…うん。」
「あの…お金。お返しします」
「あいや!お金はいいよ。」
「でも…」
「あー!じゃあさ!本買ったらそこのとなりの喫茶店でお茶しようよ!それでいいからさ!」
「…あ、はい…分かりました」
「うん。こっちこそありがとう。あ、これ。はい。」
彼女が取ろうとしてた本を俺は手渡す
「あの…」
「ん?」
「これじゃないんですよ…」
「あっ?え、ごめん!どれ?」
「隣の…です」
「あははーごめんねえ」
我ながら格好つかないな…笑
参考書か。
真面目なんだな。
「ありがとうございます…あの…えっと…あなたは…」
「あ、蘭丸でいいよ。」
「ごめんなさい…蘭丸さんはどうして本屋に?」
「あー俺はちょっとね。料理の本を買おうかなって。」
「えっ?」
「あれ?…なんか俺変なこと言った?」
「え!いや…その…なんか意外で…」
「はは…そうだよね。」
「でも!…なんか…いいと思います…」
「うん。ありがとう。」
俺はちょっと笑ってみせた
その笑みにほだされてくれたのかは分からないが俺は初めて彼女のはにかむ顔を見た
「本当…意外です。…」
…
俺はサッと本を買い彼女と一緒に喫茶店に入った
洒落た店だな
初めてきた。
「私…初めて来ました…」
「うん、俺もこの店初めて。」
「あ、いえ…男の人と…2人きりでこういうのは初めてです…」
「そうなんだ。初めてが俺でよかったかな?」
「なんだか…返答に困りますね。」
また彼女は笑ってみせた
やっぱり…この子は俺の心を引っ掻きまわす
この笑顔を独占したいと思った。
俺は適当に一番美味しいのを、とマスターに頼んだ
マスターは一瞬怪訝な顔をした
そりゃませたガキだって思うだろうな。
俺はコーヒーは好きだから本心でそう言ったのだがマスターからしたら女の前でカッコつけた色ガキに見えたのだろう。
人間とは誤解しやすいのだ
彼女はミルクティーを頼んだ
ほほう…なんかお紅茶を頼むなんてお嬢様っぽい…
「あの。蘭丸さん…実は私、あれからあなたにお金を返そうと思ったんですけど…連絡先がわからなくて…」
「あー…そうだったね。までもなんか翔子ちゃんとはまた会えるような気がした。」
「蘭丸さんって…気障なんですね。」
「あ、ごめんね。というかも一回会いたかった。てのが本音かなー。はは。あ!でもストーカーとかじゃないよ!?今日、本屋であったのは本当偶然!」
「ふふ…蘭丸さん面白いです。
最初にお会いした時はなんか…怖かったんですけどね…」
「うん。ごめんね。俺も軽率だったと思う」
「いえ。今こうやってお話しできたと思えば…いいんです。」
「うん。俺も話せてなんか嬉しいよ。」
「あの、さっきは料理の本を買ってたのは…お料理なされるんですか?」
「あー、まあ家庭料理少しね。ウチ、親居ないようなもんだから。」
「そうなんですか…つかぬ事をお聞きしました。ごめんなさい。」
「謝ることじゃないよ。ちょっとね。あ、それとやっぱり俺、料理に合わないかな?」
「いいえ。素敵だと思います。先程までは…その…怖い人だって私、勘違いしてましたので…でも今は似合うと思います。」
素直に嬉しかった
女に褒められてここまで本気にするなんて俺はどうかしてる
「ありがとう。翔子ちゃんは参考書?買ってたよね?」
「はい。私…お恥ずかしいことに成績があまり良くなくて…母に怒られてしまいました。」
ばつが悪そうな顔を彼女はする
くそおお…チョッキュードマンナカストライクだ…
「そうなんだ。頭良さそうに見えるけどね」
「そんなことは…ないです。でもちょっと嬉しいです。」
なんとも素直な子だ。
俺は素直な子が好きだ。