君の背中に見えた輝く翼に、私は恋に落ちました
放課後、璃子と聖奈ちゃんに
天使の森に誘われたけど、
あまりにも簡単に2人が考えることが
想像出来てしまったわたしは
断固拒否した。
だって…
また桐生くんの話になるのが
目に見えてたんだもん!
それに、わたしの心は
何を言われても
変えるつもりはない…
そっと見つめたり…
そっと心の中だけで
想うだけでいい。
いつか桐生くんに
付き合う女の子が出来るまで…
そのとき、後ろから
聞き覚えのある声が聞こえて
振り返った。
走ってきたらしいその人は
日向くんだった…
「ど、どうしたの?日向くん」
はぁはぁと肩で息をしている
日向くんはニコニコしながら
「一緒に帰ろうっ!いい?」
と言った。
突然のことで、わたしは
びっくりしながらも頷いた。
汗をびっしょりかいてる
日向くんにハンカチを
取り出して渡した。
「大丈夫?すごい汗だよ?」
「あっ、大丈夫大丈夫っ!
俺、部活用のタオルあるから!」
お風呂上がりのように
頭をわしゃわしゃ拭く姿に
わたしは笑ってしまった。
ふふっ!
髪の毛が凄いことになってる!
あちこちにアンテナを
立てているみたい!
わたしが小さく笑っていると…
日向くんにしては珍しい神妙な
顔つきにわたしはドキっとした。
日向くん、どうしちゃったんだろ?
「流羽ちゃんさ…翼の事好きだよね?」
「えっ…」
思わず隣を歩く
日向くんを見上げる。
日向くんは前に視線を向けたまま
真剣な声でそんな事を言い出した。
きっと桐生くんから
聞いてるよね、
わたしが断ったって…
日向くんが何を思ってそんな事を
聞いてきたかは分からない。
けど…
わたしの気持ちは変わらない。
心の中で想うだけでいい…
「わたしは…
桐生くんだけじゃなくて
誰のことも好きにはならないし…
付き合うとか、そういう事もないよ」
そう…わたしは桐生くんへの
気持ちが断ち切れたら
もう誰も好きにならないって
決めてるの。
「どうして?」
急に立ち止まって
数歩先にいるわたしに
真剣な表情で問いかけてきた。
どうして?
そんなの…
わたしが普通の女の子達とは
違うからだよ。
「わたしは…普通じゃないからだよ」
「普通って?」
日向くんはわたしになんて
言わせたいの?
「日向くんには…
男の子には分からないことだよ!
足もない!背中に大きな火傷の痕!
それ以外にも…見えない部分に沢山…
沢山の傷があるの!
それが普通じゃないってことだよ!」
わたしは溢れる涙を乱暴に拭って
日向くんを見つめた。
日向くんは一瞬驚いたような
表情を見せたけど、またすぐに
わたしを見つめて、こう言った。
「俺にはその傷がどれほどの
苦しみなのか…分からない。
でも、翼はそれを受けとめたい…
苦しみや辛さを抱えてやりたいって
思ってるんだよ!
翼は流羽ちゃんを
普通じゃないなんて
思ってないよ!
1人の人間…1人の女の子として
大切に想ってるんだ。
だか…」
日向くんの言葉を遮り、わたしは
叫んだ。
「それは桐生くんだけの
気持ちでしょ!
わたしは違うっ!!
そんな…誰かに抱えてもらいながら
生きてくなんてこと…
して欲しくないし、したくないっ!」
自分に対してなのか、
日向くんに対してなのかも分からない…
もしくは、親に対してなのか…
いろんな感情が頭の中で
ぐるぐると渦を巻いて
わたしは溢れる涙を止める事が
出来ない。
怒り、苦しみ、悲しみ、困惑…
とにかくわたしは混乱していた。
わたしは日向くんが
引き止める声を
無視して走り続けた。
天使の森に誘われたけど、
あまりにも簡単に2人が考えることが
想像出来てしまったわたしは
断固拒否した。
だって…
また桐生くんの話になるのが
目に見えてたんだもん!
それに、わたしの心は
何を言われても
変えるつもりはない…
そっと見つめたり…
そっと心の中だけで
想うだけでいい。
いつか桐生くんに
付き合う女の子が出来るまで…
そのとき、後ろから
聞き覚えのある声が聞こえて
振り返った。
走ってきたらしいその人は
日向くんだった…
「ど、どうしたの?日向くん」
はぁはぁと肩で息をしている
日向くんはニコニコしながら
「一緒に帰ろうっ!いい?」
と言った。
突然のことで、わたしは
びっくりしながらも頷いた。
汗をびっしょりかいてる
日向くんにハンカチを
取り出して渡した。
「大丈夫?すごい汗だよ?」
「あっ、大丈夫大丈夫っ!
俺、部活用のタオルあるから!」
お風呂上がりのように
頭をわしゃわしゃ拭く姿に
わたしは笑ってしまった。
ふふっ!
髪の毛が凄いことになってる!
あちこちにアンテナを
立てているみたい!
わたしが小さく笑っていると…
日向くんにしては珍しい神妙な
顔つきにわたしはドキっとした。
日向くん、どうしちゃったんだろ?
「流羽ちゃんさ…翼の事好きだよね?」
「えっ…」
思わず隣を歩く
日向くんを見上げる。
日向くんは前に視線を向けたまま
真剣な声でそんな事を言い出した。
きっと桐生くんから
聞いてるよね、
わたしが断ったって…
日向くんが何を思ってそんな事を
聞いてきたかは分からない。
けど…
わたしの気持ちは変わらない。
心の中で想うだけでいい…
「わたしは…
桐生くんだけじゃなくて
誰のことも好きにはならないし…
付き合うとか、そういう事もないよ」
そう…わたしは桐生くんへの
気持ちが断ち切れたら
もう誰も好きにならないって
決めてるの。
「どうして?」
急に立ち止まって
数歩先にいるわたしに
真剣な表情で問いかけてきた。
どうして?
そんなの…
わたしが普通の女の子達とは
違うからだよ。
「わたしは…普通じゃないからだよ」
「普通って?」
日向くんはわたしになんて
言わせたいの?
「日向くんには…
男の子には分からないことだよ!
足もない!背中に大きな火傷の痕!
それ以外にも…見えない部分に沢山…
沢山の傷があるの!
それが普通じゃないってことだよ!」
わたしは溢れる涙を乱暴に拭って
日向くんを見つめた。
日向くんは一瞬驚いたような
表情を見せたけど、またすぐに
わたしを見つめて、こう言った。
「俺にはその傷がどれほどの
苦しみなのか…分からない。
でも、翼はそれを受けとめたい…
苦しみや辛さを抱えてやりたいって
思ってるんだよ!
翼は流羽ちゃんを
普通じゃないなんて
思ってないよ!
1人の人間…1人の女の子として
大切に想ってるんだ。
だか…」
日向くんの言葉を遮り、わたしは
叫んだ。
「それは桐生くんだけの
気持ちでしょ!
わたしは違うっ!!
そんな…誰かに抱えてもらいながら
生きてくなんてこと…
して欲しくないし、したくないっ!」
自分に対してなのか、
日向くんに対してなのかも分からない…
もしくは、親に対してなのか…
いろんな感情が頭の中で
ぐるぐると渦を巻いて
わたしは溢れる涙を止める事が
出来ない。
怒り、苦しみ、悲しみ、困惑…
とにかくわたしは混乱していた。
わたしは日向くんが
引き止める声を
無視して走り続けた。