記憶を失くした少女【完】
家に着くとまずは買ったおにぎりを食べ、それからクローゼットに向かう。
クローゼットの中にはたくさんの服が入っていたが、どれも派手なのばかり。
胸元が無駄に強調された服だったり、短パンだったり、ギラギラした感じのワンピースだったり………………今の私じゃちょっと好まない系統………。
なんかさ、カジュアルがいいんだよね。
普通にジーンズとか落ち着いた色のジャンバーとかさ。
カバンもブランド物の赤いバッグだったり……高校生が一体どうやってそんな物手に入れたのだろうかと不思議になる。
取りあえず持っている服の中で1番大人しめな方の服を引っ張りだした。
少しセクシーな黒色の上着に、黒色の花柄刺繍が特徴な灰色のキュロット。
これでもあの服の中では派手じゃない方だ。
寒くないように上に白のモコモコジャンバーを羽織り、玄関の靴棚に置いてあった茶色のロングブーツを履いて、あの美容室へ向かった。