記憶を失くした少女【完】
【side凌馬】
旭川から聞いたあの情報………………………危険と言われる暴走族、青雉(あおきじ)が勢力拡大と知名度のために、いろんな族と抗争を始め出した、とのこと。
この族は危険と言われるぐらいだから、当然いい噂なんてなく、あまりに非道。もともと暴走族自体非道だが、それを更に上行く非道さだ。
知名度や勢力拡大のためなら、どんな手段も選ばない。
俺らが昔に潰した族、蝮の生き残りだけあるな……って感じ。
潰すだけあって俺は族というのが嫌いだ。
自分らが上みたいな顔して、弱いやつを痛めつける。
そしてどんどん縄張りを増やす。
かつては俺も普通の学生だったが、族に絡まれ、自分の実力を知って以来、夜は密かに族を潰してきた。
喧嘩の快感を知り、一時期は族を潰す以外にも路地裏の喧嘩に明け暮れたものだ。
今は足を洗ってるし、昔のことは昔のことで言わなければ知られないと思っていたが…………………………俺のことを知ってるやつが綺羅の近くにいるとは………………な。