記憶を失くした少女【完】
美容院を後にすると、言われた通りBelizeに向かう。
店の雰囲気は大人っぽくて、値段もそこそこだけど、私好みの服を発見して奮発して買った。
その後は家に戻っても暇だからと、その辺を宛もなくぶらつく。
「……………………なぁ、あれさぁ」
「いや、ないって(笑)見た目全然違うし、あんなに可愛くないだろ」
「確かに(笑)アイツ、ビッチだしあんな清楚な子とはかけ離れてたもんな(笑)」
13時頃、シャッターの閉められたお店の前で屯うガラの悪い高校生の前を横切ったときに聞こえてきたそんな言葉。
ふと、私じゃないかって思ってしまう。
いや、私なのかもしれない。
平日だからか、私以外ここを通っていないし。