記憶を失くした少女【完】
『あぁ………………もうツイてない。このまま連れて行かれるのか』なんて、諦めモードに入りかけたとき、
_______ドカッ!
肩を組んできた男の人が前にぶっ飛んだ。
「なんだ!?」
周りの連れの男の人たちもかなり驚いている。
もちろん私も。何が起こったのか分かっていない。
「え……………あ……………」
男たちは後ろを見ると険しいから、恐怖に満ちた表情に変わる。
どうやら言葉も出ないみたい。
「…………遥輝(はるき)さ……「失せろ」」
ドスのきいた声。
もの凄い気迫だ。
そんな気迫に圧倒されたのか、男の人たちは逃げるように去って行く。