記憶を失くした少女【完】
というか凌馬さんに姫だってこと言っていなかったから、ここでカミングアウトする感じになっちゃったな………。
「…………………………へぇ」
薄々気づいていたのか、凌馬さんは『やっぱりか』と言うような顔で私を見てきた。
「お前がRYUSEIの総長だな」
「それがどうした?」
「大きくなったなって思ったんだよ。会ったときは中学のガキだったくせして(笑)」
話が見えてこないんだけど………………なんの話をしてるの??
「あ"?」
遥輝もよく分かっていないみたい。
「蝮」
後ろにいた旭川さんがそう言うと、今までの話の内容が分かったのか驚いた顔をした。
それも遥輝だけじゃなく、大平くんもだ。
「まさかお前は____…………」
「探してたんだろ?俺らのこと。まぁ、こんな形で会うとは思わなかったがな」
えっと………………………まさか、大平くんの探している人って………………凌馬さん!!???
嘘でしょ………?確かに年齢的には近いし、今までの事が話をはぐらかす為だと考えると…………………そうだよね。