記憶を失くした少女【完】
_____ブォン……ブォンブォン!!
次第に皆から遠ざかる。
本当は皆のもとに戻ってまず迷惑かけたことを謝りたいし、助けに来てくれたことに対してお礼を言いたい。
だけど記憶を思い出した今、どんな顔で皆に会えばいいの?
好きでもない人と体を交したような汚い私を、見てほしくない。
「綺羅!!!!」
必死に名前を叫ぶ遥輝の声が聞こえる。
心の中で『ごめんなさい………』と呟いた私は凌馬のバイクに乗ったまま、その場から去った。