記憶を失くした少女【完】
【side遥輝】
綺羅の背中が徐々に遠ざかる。俺らの声には反応せずにただ前だけを向いて………………。
「おい、遥輝!!!一体どうゆうことなんだ!?俺、意味が分かんねぇー!!!!」
大平も混乱して頭を抱える。
「あれを全部2人で倒したんだよね。いや、最終的には後ろの男1人が倒していた…………………が、それでもあの青雉を2人だけで倒すなんて相当だよ、遥輝」
瑠衣も先程の光景を思い出し、分析を始める。
あの2人組がスゴイやつだってのは、俺と大平が1番知っている。
それよりも、あの2人が綺羅と接点があったって事だ。
「遥輝。取りあえず倉庫に戻るぞ。今ここにはRYUSEI総出で来たから下っ端達もいるんだ。詳しくは後で話し合おう」
京也のそんな言葉にハッとする。
そうだ。今ここには俺らだけじゃねぇ。
下の奴らも来てんだ。
取りあえず指示出すのが先だ!
「よく聞けー!!!今から倉庫に戻る!!!!戻り次第各自解散!!!!」
そう叫ぶと下っ端たちはバイクを走らせる。
「お前らは倉庫に戻ったら2階に集合だ」
「あぁ」
「わかった」
後は幹部達で状況を把握するしかねぇ。