イケメン医師は今日も新妻が可愛くて仕方ない

私の様子を見ただけで持たせられないことを見てとり、お義父さんは急いで分娩室へと運んでくれるよう手配してくれた。

「伊吹、立ち会うなら準備してこい。あと三十分もしない内に一人目が出てくるぞ」

米澤先生もそう声をかけて院内へと戻っていき、私も運ばれていく。

その間もどんどん痛みは増して、その間隔は短くなり休む暇もなくなってくる。

とうとう声も出せない痛みに打ちのめされ始めた頃に、分娩台に上がり準備も整った。

陣痛監視装置と子どもたちの元気な心音が聞こえてくる。

「赤ちゃんは元気よ!、もう出たがってるからこのまま出産しようね。大丈夫、準備は万全だから。千花ちゃん、子宮口全開だ次の波きたらいきんでいいわ」


そう声をかけてくれたのは産婦人科師長。
師長は助産師の資格もあるのだ。

「はいぃ!!」

そうして、波が来る度にいきむこと数回。

「はい、ハッハッハッの呼吸!」

もはや、ハァハァくらいになっていた私。
すると、するんとした感覚の後に声がする。

「ふんぎゃー!んぎゃー!」

一人目出産。

「はい、おめでとうございます。11時25分第一子男の子よ!双子で早産だけど、ちゃんと声が出て立派よ!」

「はい!第一子の後産出たよ!順調!二人目の頭も、もう来てるわ!」

またも息のできない痛みが襲い来る中、頑張っていきむこと10回ほどでまた師長から指示が飛ぶ。

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