甘い魔法にかけられて
コップ半分ほど飲んだだろうか
たったそれだけなのに
ドクドクと顔が脈打つように熱くなる

・・・真っ赤なんだろうなぁ

自分の変化に気づいたものの
KYが席に戻るまではと

俯いたままやり過ごす

2人への簡単な挨拶が終わると
KYの声が遠くなった

「柚ちゃんもう大丈夫よ」

小宮さんの声掛けで漸く顔を上げた

「まぁ羨ましい位の桜色の頬っぺ」

「え?」

「柚ちゃんほんのり良い色になってる」

「そうなんですか?」

真っ赤だと思っていたのに
少しの変化だと言われ

ホッとする

コップ半分のビールのお陰か
いつもより話が弾み

声を上げて笑っている自分に気付いた
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