甘い魔法にかけられて
乱される
日帰り出張のはずが
アクシデントのせいで

いかがわしいホテルに
KYと泊まった

モーニングを注文するというKYを制止し
朝一番の新幹線で帰ってきたヘタレ

それでも良いよと合わせてくれたKYは

こちらが思うより
フランクな良い人かもしれない

気持ちの変化はいとも簡単に
思考までも支配し

アパートの部屋に戻ってからも
ニッコリ笑うKYを思い出す始末

キングサイズのベッドで一緒に寝たのに

いや・・・厳密に言うと
一緒に寝たのは知らなかったけれど

何もなかったのは
自分に魅力がないのかもしれない

・・・なにかあった方が良かったの?

「イヤイヤイヤ」

ブンブンと頭を左右に振る

生まれてこの方
みかんより好きになった人はいない

人を好きになるという
哺乳類の初歩的な進化体験を
経験せずに来たことを後悔しながら

独り言だけを積み重ね

三連休も引きこもることになった


ベランダに出て
洗濯物を干しながら

斜め上にあるKYの部屋を見上げる

・・・何してるんだろう

何度も気にしながら
引きこもりの3日は過ぎた
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