甘い魔法にかけられて
2日続けてベッドで泣いた
昨日よりも感情任せではない

それは・・・
悲しかったわけじゃなくて

勝手に優里亜さんとのことにヤキモチを妬いた癖に
欠勤しただけで体調不良と決め込み

更にまるで正義の味方になった気分で
買い物までして恩義を売りに行った自分

いつもと反応が違う私と向き合おうとしてくれたKYに
“関係ない”と言い放ったことを棚に上げて
恩着せがましい意外の何者でもなく


・・・バカ女

・・・勘違い女


コミュ障なんて言葉で壁を作って
関わりを持たなかったツケが

押し寄せてきたようで

自ら進んで奈落へと落ちた





飽きるほど泣いたら
またアイシングで冷やす

・・・デジャブかよ

・・・土偶もビックリさ


クククと込み上げる笑いを
鏡の中のブスな私にぶつけると

吹っ切るようにご飯を食べ
お風呂に入ると早々にベッドに潜り込んだ

「・・・明日から元に戻す」

それは修復という意味ではなく
KYが来る前に戻るという意味だったけれど
今の私にはおまじないのように心地よかった


それなのに・・・
嗚呼、それなのに・・・

どうしてこうも私はウッカリなのか?
洗濯物を取り入れて鍵を閉めるという
簡単な防犯対策さえ取れない歯痒い自分


寝る気満々のシンとした部屋に

ドスン・・・ガラッ

リアルに響く音に固まる


再びベランダから攻めて来たのは
夕方見たままのダサい姿のKYだった



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