幸せのカタチ〜Fleeting memories〜
俺は実はまだ気になっていた。

2人が別れて以来、俺たちの間で名前すら話題に上がっていなかった事。2人の別れ方。そして昇太のあの時の落ち込んだ顔が今も脳裏に焼き付いていた。

『奥野さんは昇太が別れを告げた理由が俺にあるっていうことを知っているのだろうか?』

昇太の気持ちが揺らいでいたあの時。昇太が俺に言っていた言葉がずっと引っかかっていた。

『俺にとっては涼といる方が俺らしくいれるみたいだ。』

その時は嬉しい気持ちも多少はあったが、何より2人を別れさせるキッカケになってしまったことへの罪悪感の方が大きかった。
< 28 / 65 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop