私の恋愛事情。〜ｱﾉ人と巡り会うまでは〜

「……中学のときの先輩。偶然会っただけ」

「……そっか。そうなんだ」

（偶然。たったそれだけ。それだけ、なのに）

笑顔を作ろうとしたけど、全然うまくいかなくて。

「咲桜、嫉妬してんの？」

玲斗が口元をゆるめた瞬間、なんか…プツンときた。

「してない！！……してないけどっ、でも…っ」

「でも？」

「他の子と笑ってる玲斗、見たくなかった」

その瞬間、玲斗は少し驚いた顔をして、すぐに、すごく優しい目になった。