残念なイケメン、今日も我が道をゆく
そんな私にさらっと好きだとか言う。
この目の前の美形には疑問しか湧かない。
お前の目は大丈夫なのか?と・・・
なにせ相手は歩けばすれ違う女性に振り向かれ、現在も店内の女性の視線を集めまくるイケメンである。
しかも、ここ数日に至っては残念なナルシスト発言もなし・・・


「なんで、私なの?歳の近い子も、可愛い子も他に沢山いるじゃない?」


ストレートに疑問をぶつける。
だって私の方が歳上だし、可愛げの欠けらも無いアラサー女子。
そんなのより、同世代の可愛い子の方がいいじゃないか。
私が男なら断然後者を選ぶと思う。
そんな思考をしていると


「同世代の子は好きになれませんね。元々歳上好きですし、かと言って俺を連れて歩きたいだけの歳上の人も嫌ですし。はっきりものを言う、その姿勢に惹かれたんです。」


返された言葉はストレート。
かつトラウマもありそうな内容。
深くは掘り下げない方が良さそうだ・・・
どうやら彼は、相手を選ぶ時に内面が重要な様だ。


「今までの残念といわれてたあれは・・・」


「わざとですよ。ああいう事言うと面白いくらい寄ってこなくなりますから。」


さらっと言うけど、その笑顔がいつになく黒い。
まさかの、御堂くんも林田レベルにお腹は真っ黒タイプか?!
そんなのに懐かれ目を付けられたの?
私は激しく、この場を去りたくなった。
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