呆れるくらいに君が恋しい。
「でもさ、サプライズ方法どーすんの?」
それだよねー…なんて悩んでると、
不意に前の席の君が寝てるのが目に入った。
「あんたの彼氏っていっつも寝てるよね。」


───「薫って、授業中も寝てるよね?
なのに何で学年三位内に入れてんのよ~!」
不満を言いながら足をバタバタすると
「優愛とは頭の出来が違うからかな。
優愛は真似しちゃダメだよ?」
自分とは違う大きな男の人の手で
優しく頭を撫でられる。
「ほら、教えてあげるから
早く課題終わらせて。」
そう言ってノートを開いた君は
「終わったら御褒美あげる。」
なんて妖艶に微笑んで
頬にキスをした…───────


「私とは頭の出来が違うんだって。」
そう返すと、友達にからかわれた。
「顔が赤いけど何思い出した?」
「ーっ何も!!」


─────「終わったー…!」
やっと終わった課題。
もう文字を見ることも嫌だ。
「頑張ったね。」
少し微笑んで頭を撫でる君の肩に頭を乗せる。
「んー?どうした?」
疑問の表情の君を見て、
忘れちゃったのかなって少し落ち込む。
「…御褒美は?」
「あぁ、ちょっと待ってて。」
そう言ってドアから出ていった君。
数分後戻ってきた君の手元にはアイスが2つ。
片方を差し出して、
「はい、ごほうび。」
「あ、私が食べたかったアイスー!!」
「知ってる。」
「何で知ってるの!?」
「優愛は顔に出すぎだよ。
 コンビニ行く度に見てたから。」
「そ、そこまでガン見してた記憶無いけど…」
アイスを食べながら、首をかしげると
薫の整った顔が急に近づいてきた。
大きな手で頬を包まれて
唇の少し下に舌が這う。
「ついてた。」
ペロリと舌を舐めた君は
そのまま私の唇を舐めてキスをする。
「んっ」
少しして離れた唇は
「…あまっ」
と小さく呟いて笑った──────

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