クールな公爵様のゆゆしき恋情2
「ヘルミーネ様! なぜこちらに?」

ハルトマン院長は、明らかに動揺していて震える声を出した。

ヘルミーネ様は、そんな彼を気遣うことなく、早口で捲したてる。

「ハルトマン! これはどういう事ですか? 今日は採掘は控えるように指示しているはずです」

ヘルミーネ様の言葉は意外だった。

「採掘を中止する? どうしてですか?」

鉱山での仕事を止めるなんて今までのヘルミーネ様の言動からは考えられない。

私の視察で作業が滞ったことについても文句を言っていたくらいなのだ。

「……事情がありまして。ラウラ様はお気になさらず」

私には聞かせたくない内容だったのだろう。ヘルミーネ様は気まずそうにしながらも言葉を濁す。

そう言えばアレクセイ様もこの後の予定は外せないと言っていた。……これから何か重要なことが予定されているの?

とても気になったけれど、ヘルミーネ様に聞いても答えてくれるはずがない。

元々彼女は私がリードルフの問題に関与することを嫌っているのだから。

だけど、子供達のことについては強引にでも理由を聞き出すつもり。

ハルトマン院長がなんと言い訳するのかをじっと待つ。

すると落ち着きを取り戻した様子のハルトマン院長は、私とヘルミーネ様に事情を説明するので、地下の採掘現場に来て欲しいと言い出した。
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