クールな公爵様のゆゆしき恋情2
「現在リードルフはロイセン伯爵領と揉めています」

「揉めている?」

思いがけない内容に、私は目を瞠る。

「リードルフの鉱山の内、ロイセン伯爵領に接しているところがあります。その鉱山の利権を巡って揉めているのです」

私はヘルミーネ様の言葉を聞きながら、リードルフ近辺の地図を頭に思い描いた。

北東の鉱山を境に領地を接しているのは、確かにロイセン伯爵の領地だ

フェルザー公爵領やアンテス辺境伯領に比べれば、領土も領民の数の規模も小さく、これといった特産品もない土地だったと思う。

「揉めているなんて信じられない……フェルザー家と争いになって困るのはロイセン伯爵の方なのに」

フェルザー家は、力が強いだけでなく、王家とアンテス家と言う強い力を持つ家とも、とても近い縁戚関係にある。

その国内で最も力のある家が、有事のときは、必ず後ろ盾となるから、どう考えてもロイセン伯爵は部が悪いのだ。

「私も知ったきは信じられませんでした。国内の貴族が利権目当てで争いを仕掛けて来るなんて……ですが実際小競り合いは起きてしまっている。早く解決させないと下手したらフェルザー家とロイセン家での全面戦争になりかねない。ですから私はアレクセイ様に助けを求めたのです。本来は当主の父から話をするべきですが、残念ながら父にはそういった面では期待出来ませんので」

「そうなのですか……でもあの伯爵が、アレクセイ様の治めるフェルザー領と揉めようとするなんて信じられません」

ロイセン伯爵本人は、特に問題のない人といった印象だ。

私は直接話した事は無いけれど、社交界で聞いた噂では、根っからの王家至上主義で、現国王に絶対の忠誠を誓っているとか……野心とは無縁の人に思える。

臣籍に降ったとは言え、アレクセイ様は元は王位継承権を持つ、このベルハイム王国の第二王子。

王家の特徴たる、金髪、碧眼を持つ、ロイセン伯爵が崇拝する王族そのものの人なのだ。
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