クールな公爵様のゆゆしき恋情2
「アレクセイ様もロイセン伯爵が何を考えているのか分からないとおっしゃていましたが、原因が不明でも国内の領主同士での争いなんて絶対に起こす訳にはいきません。だからこの件は何としても早急に解決させる必要がある、その為に必死に動き、漸く本日ロイセン家と和解の合意書を交わす段取りとなっていたのです。今頃アレクセイ様自らロイセン家との使者と対峙されているはずです」

「……そう」

アレクセイ様の言っていた、外せない用はそれだったのだ。

私は何も知らされていなかったけれど、ヘルミーネ様は何もかも知っていてその調停式に同行するはずだった。

だけど、私が強引にここに連れて来てしまったから参加出来なくなった……ヘルミーネ様が怒るのは当たり前だ。

彼女の態度は私にとっては嫌なものだったけれど、この件について真剣に動いてきたのは確かなのだから。

「ごめんなさい、そんな大事な事だと知らなかったとはいえ、無理矢理連れて来てしまって。その上こんな所に閉じ込められてしまって……」

罪悪感に苛まれていると、ヘルミーネ様は直ぐに「いいえ」と否定して来た。

「結果的にはこちらに来て正解でした。この書類……」

ヘルミーネ様は私が見つけた書類を睨みつける。

「その書類がどうしたの?」

「ここに記されているのは、この東側の鉱山で採掘した鉱石の出荷状況です」

「……何か問題が?」

そのような情報を記録しているのは、当たり前のことだと思うのだけれど。
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