クールな公爵様のゆゆしき恋情2
な、何?

戸惑っていると、イザークが私の腕を掴み、部屋の奥へ引き摺っていく。

「イザーク?」

「ちょっと黙っていてくださいね」

イザークは私を庇うように立つと、油断なく扉のほうを向く。

もしかして守ってくれようとしているの? さっきヘルミーネ様には協力できないようなことを言っていたのに。

イザークの背中を見つめていると、扉に鍵が差し込まれる音が聞こえて来る。直後乱暴に扉が開き、数人の部下を引き連れてハルトマン院長が部屋に押し入って来た。

「ハルトマン! この裏切り者!」

ヘルミーネ様が怒りの篭った声を上げる。

その声につられるように院長がヘルミーネ様に目を向ける。

その顔色は悪く、血の気がない。

彼も思いつめられているのだと感じた。
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