クールな公爵様のゆゆしき恋情2
私の今日の予定は、午前中はリードルフ有力者の夫人達の会合に出席すること。

この女性会は定期的に開かれ、情報交換や、親睦を図っているらしい。

皆、ヘルミーネ様のようにはっきりと自分の意見を言うような人達なのだろうか。

気後れしそうになるけれど、私はフェルザー公爵、アレクセイ様の妻。

堂々と振舞い、しっかりと対応しなくてはならない。

背筋をピンと伸ばし会合が行われている、集会場に入る。

中は、沢山の人の声が飛び交い、話し合いは盛り上がっているようだった。

何について話し合っているのか、詳細までは聞き取れないけれど、時には怒鳴り声も聞こえて来る。

けれど、私が入場したことにひとりが気づくと、場は段々と静まりかえり、視線が一気に集まった。

「フェルザー公爵夫人、ラウラ様、ご入場で御座います」

案内役の役人が高らかに宣言すると、皆が一斉に頭を下げる。

礼儀正しいその態度を意外に感じながら、私は案内された席に腰を下ろす。

すると代表のひとりが立ちあがり、挨拶と共に今日の会合の趣旨を報告してくれた。

「本日の議題は、女性労働者の待遇改善についてです」

代表者曰く、この鉱山で働く男性と女性の賃金は大きな差があるとのことだ。

現実的に力を使う発掘作業は男性しか出来ないからどうしても、差が付いてしまうそうだけれど、女性達は納得していない。

鉱物の運搬や、精製作業だって立派な仕事なのだから、同程度の賃金を払う必要がある。
そう主張しているのだとか。

逞しく主張する女性達に、感心してしまう。

慣習なんて気にしない。
実現が難しいと思われることにも、諦める様子が全くないのだ。
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