紅の葬送曲
まさか……っ。
紅斗の視線を受けた楊蘭は頷くと、小鳥遊君の首にワイヤーを巻き付けた。
そして、左右にゆっくり引っ張ると首の皮膚が切れ、血が伝う。
「ちょっと待って!私に用があるなら私を──」
「それじゃあ、つまらないでしょ?仲間を殺されたら君が目覚める。そう僕は確信したんだ」
目覚める?
意味が分からない。
「そっか……、彼だけじゃ駄目なのかな。なら、彼女も殺そうか」
紅斗がそう言うと、私の隣にいる小鳥遊さんが更に苦しそうに息をし始めた。
何で………何で………こんなことに……。
紅斗が私を欲する理由は何?
何で私は仲間を助けられないの?
自分の無力さに涙が出てきた。
誰か……誰か二人を助けて……。
寿永隊長──。