紅の葬送曲


「大変だったんだからね。寿永隊長がキレてパソコン壊すわテーブル引っくり返すわ、何処からか持ってきたハリセンで小鳥遊君を殴るわで……」




思い出しただけでため息が出てしまう。




長引いたのはデータが入っていたパソコンが壊れたのが一番の原因かもしれないけど、口が割けても言えない。





「……何か大変ねぇ。よし、今日は私が奢るから好きなの食べて元気出して!」





「良いの!?じゃあ、このケーキ5種盛りのティーセット!」






「OK。私はシフォンケーキのコーヒーセットにしようかな。すみません、注文良いですか?」




京は近くにいた店員さんに声をかけると、私と自分の頼むものを注文した。





注文したそれらは開店したばかりで人が疎らなせいか、すぐに運ばれてきた。





「美味しそう!頂きま──」




「徹夜明けにしては随分と重いな」





ふと、背後から聞き慣れた不機嫌な声がする。





振り向けば、そこには眠そうな寿永隊長と小鳥遊君がいた。






< 191 / 541 >

この作品をシェア

pagetop