紅の葬送曲


「寿永隊長!それに、小鳥遊君!何で此処に──」




私は驚いたせいで、失礼なことに寿永隊長を指差してしまった。




「人を指差すな。本部から近いんだ、いたって不思議じゃない」




「で、ですよね……」




寿永隊長に指差した指を叩かれ、私はその手を引っ込めながら苦笑いを浮かべる。





そんな私をよそに、京は久々に会う同期の小鳥遊君と和気藹々と話をしていた。





「久しぶりー、香西ちゃん。元気だった?」




「久しぶりっていうか入職式以来だから一週間ぶり?元気だったよー。そっちは?」





「暴力的な上司にイビられてる」




小鳥遊君の泣き真似に、寿永隊長は彼の頭を殴った。




「イビるか、馬鹿。俺はお前がちゃんとしないから指導してるだけだ」




うん、確かに小鳥遊君がしっかりしていれば……ということが此処何日かで何回かあった。




寿永隊長は小鳥遊君の扱いがぞんざいだからイビっているように見えるが、指導と言われれば指導だ。




……多分。







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