紅の葬送曲


───────────────



───────────


──────


──



「──そういえば、小鳥遊さんは?」





私はケーキ5種盛りの最後の一つ、ティラミスを頬張りながらふと思ったことを口にした。





「姉さんなら部屋で爆睡してるよ。さすがに昨日一昨日と完徹が2日続いてるからね」





小鳥遊君はそう答えると切り分けたパンケーキの上にホイップクリームを器用に乗せると、口へと運ぶ。





言われてみれば、小鳥遊さんは紅斗の奇襲を受けて怪我をしたにも関わらずすぐに仕事に戻ってきた。





しかも、事件やら調査やらで完徹が2日続いていて、さすがに寿永隊長が見かねて無理矢理休みを取らせ、寝るように促した。





だから、今回の深夜の出動は私と寿永隊長、小鳥遊君だけだった。




「来るとき部屋覗いてきたけど、我が姉ながらなかなか凄い寝相だったよ」




その寝相を思い出したのか、小鳥遊君は口を押さえて必死に笑いを堪えている。






< 194 / 541 >

この作品をシェア

pagetop