紅の葬送曲


私は寿永隊長の方を見た。




彼は血が滲むほど強く唇を噛み締めていて、その隣にいる小鳥遊君は顔面蒼白だった。





「寿永隊長?小鳥遊君?」




そんな二人に声をかけると、寿永隊長は被害者の脇に膝をついた。





そして、小さな声で何か言った。





少し離れた所にいた私には聞こえなかったけど、被害者を弔うような言葉を言ったのだろう。





「……本部に戻るぞ。現場検証は警察に任せる」




「は、はい!」




立ち上がって歩き出した寿永隊長は殺気立っていて、怖かった。




彼だけじゃない。




普段あまり殺気を放たない小鳥遊君も殺気立っている。




二人がこんなに殺気立つ理由が今回の被害者に関係しているのは間違いないと思う。





でも、その理由を私は気付けなかった。





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