紅の葬送曲


押さえつけるように頭を下げさせられているせいか、首がかなり痛い。




ふと、寿永隊長のため息が聞こえた。





「何か誤解してない?」




「「へ?」」




私と琉ちゃんは声を裏返させながら顔を上げた。




彼は私達の反応を他所に、丸めていた封筒を私に渡してきた。




訳が分からないまま封筒を受けると、彼に目で中身を確認するように促される。





誤解してる?




いや、してないはずだ。




この人が私に渡す書類なんか≪退職≫関連のモノしか思い当たらない。





私は震える手を押さえつけながら封筒の封を切り、中の書類を取り出して広げた。




そして、言葉を失う。




え、これってどういうこと?





何で……。






< 33 / 541 >

この作品をシェア

pagetop