紅の葬送曲
押さえつけるように頭を下げさせられているせいか、首がかなり痛い。
ふと、寿永隊長のため息が聞こえた。
「何か誤解してない?」
「「へ?」」
私と琉ちゃんは声を裏返させながら顔を上げた。
彼は私達の反応を他所に、丸めていた封筒を私に渡してきた。
訳が分からないまま封筒を受けると、彼に目で中身を確認するように促される。
誤解してる?
いや、してないはずだ。
この人が私に渡す書類なんか≪退職≫関連のモノしか思い当たらない。
私は震える手を押さえつけながら封筒の封を切り、中の書類を取り出して広げた。
そして、言葉を失う。
え、これってどういうこと?
何で……。