紅の葬送曲
「意味わかんないんですけど!」
拘束している腕を振り払おうとしたけど、翔鷹の二人だけあって力では敵わない。
せめてもの抵抗と足をその場で踏ん張った。
が、それも虚しく、引き摺られるようにして私は歩き出すことになる。
犯人が連行されるように連れていかれてるものだからすれ違う人の視線が刺さる。
視線が痛い……視線が冷たい……。
向けられる視線に泣きそうになりながら私は翔鷹の施設までの道を引き摺られていた。
「あぁ……私が何をしたの……?え?殴ったから?あぁ……何てことを……」
ブツブツと引き摺られながら呟いていると、隣から吹き出した笑い声がした。
笑ったのは小鳥遊君だ。
「ぷくくく……。君は面白い娘だね、浅井ちゃん」
「人の不幸を喜ばないでくれる!?」
小鳥遊君をキッと睨み付ければ、彼は「ゴメンゴメン」と悪びれもなく言った。