紅の葬送曲

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「──で、何でまた現場に?」




ミーティング終了後、私は寿永隊長と共にさっきの殺人現場に来ていた。




規制線のテープの前に野次馬は居なくなり、鑑識も警官も規制線の前にいる二人を除いて撤退していた。




残っているのは殺された女の人の形をしたテープの跡と血痕だった。




寿永隊長は私の問いかけが聞こえていないかのように、その場にしゃがんで血痕を見ている。




「寿永隊長?」




「……何故、犯人は犯行の際、顔を隠さなかったんだ?」




唐突な彼の問いに、私は「はい?」と声が裏返った。





「此処に付けられた防犯カメラはこの現場を丸映しにしている。普通なら防犯カメラに顔が映らないように避けて、犯行に移るだろう?」





確かに彼の言うとおりだ。





普通なら犯人は自分の顔を映すことを躊躇い、映らないようにする。





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