また君に恋をする


深く思い出そうとしたら、頭が痛くなって、それでも思い出そうとしたら前が真っ暗になる。


だから私は、無理に思い出そうとするのをやめた。



結局、私は逃げているだけだ。



自分で自分を責めたくせに、悔しくて泣きそうになった私は下を向いて歩く。


こうして自分の靴を見て歩いていた時、昔誰かが声をかけてくれたな…。


魔法の言葉かけられて、その後どうなったんだっけ…。




「…結局、これも思い出せないんだ。」




思い出したいのに思い出せない。


こんな気持ちもう嫌で、誰もいない下校路地で私の目からは一滴の涙が溢れた。



…よかった。


誰もいなくて。




「桃?」




誰もいないはずの路地に、私を呼ぶ声が響いた。




「龍也…、」




顔をあげると、それは久しぶりに見る龍也だった。


制服を着ていて、片手にはブランドの袋を持っていた。

< 129 / 289 >

この作品をシェア

pagetop