また君に恋をする


「何で泣いてんだよ。」


「…泣いてないよ。」




溢れた涙を引っ込めて、笑顔を作る。


だけど龍也にはお見通しで、家まで送ると言ってくれた。




「それ、芽衣に?」


「あ、あぁ。まーな。」




手に持っていた紙袋を見て、隣に歩いている龍也にそう言った。


龍也は軽くそれを持ち上げて、照れ臭そうに笑う。




「あ、もうすぐ記念日だもんね。」


「ああ。もう2年だ。」




早いな。


もう芽衣と龍也が付き合って2年か。




「芽衣には内緒な。」


「とーぜん。」




中学生の時みたいに話しながら歩く帰り道。


懐かしいな。



龍也が芽衣のこと好きで、よく帰り道にからかったっけ。


…誰かと。




「桃、もうすぐ文化祭だな。」


「え?あ、うん!」


「今日芽衣が桃と帰れなかったって、拗ねてたよ。」

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