また君に恋をする
*・*・*・*
「脱げよ。」
芽衣に手を出さないと約束した代わりに、どんどんエスカレートしていく‘‘呼び出し’’。
呼び出し先は体育館裏から、使用禁止トイレに変わった。
「撮ってやるから。」
「ほら脱げよ。」
制服にかけられた手。
毎日ビショビショにされて、殴られて蹴られる体。
正直もう限界だった。
ううん。
限界はとっくに超えていたのかもしれない。
「あれ?この前までの威勢はどこいった?」
「連絡先教えてくれたらやめてやんのに。」
言い返す気力や意味を無くした私は、いつも人形状態。
感情や、笑い方さえ忘れていた。
「いつもの1発いっとく?」
「いいねえ!」
「いっちゃおー!」
またビショビショにされる。
トイレの個室に押し込まれた私は、そのまま閉じ込められる。
…もう、どうにでもなれ。
「5!4!」
先輩達は楽しそうにカウントダウンをする。
「3!」
こんなことして楽しいなんて、惨めな人達…。
「2…、」
…だけど、そのカウントダウンは2でとまった。