また君に恋をする
「ごめんな。」
私の耳元で何度も謝る奏多に、私は大きく首を振る。
悪いのは奏多じゃない。
助けに来てくれた。
それだけで十分だよ。
「立てる?」
「ん…、」
支えられながら立った私は、奏多にすがりつくように足を進めた。
「桃さん!」
「春翔…、」
もう片方の腕を支えてくれたのは、心配そうな顔をした春翔。
そんな顔しないで。
春翔は助けてくれたんだから。
「よぉ…、瀬崎。」
春翔に殴られて倒れていた男。
顔は血だらけで、多分体の骨もどこか折れているに違いない。
それに懲りないかのように、奏多の名前を呼んだ。
「てめぇ!」
「春翔。」
また火がついて、殴りかかりそうになった春翔。