また君に恋をする
「先に戻るか。」
「そうっすね。」
いつもに比べれば、なかなか帰ってこない奏多。
龍也は、喜連のみんなは先に倉庫に戻る決断をした。
「桃さん、付き合いますよ。」
「ごめんね。ありがとう。」
私が帰らないと言うと、わかっていたんだろう。
春翔は私が言う前に隣にしゃがんでくれた。
「桃、また明日ね。」
「うん。気をつけてね。」
龍也の後ろに乗った芽衣に手を振ったあと、来てくれた喜連のみんなにも手を振った。
白鷺の倉庫前に残ったのは、奏多と春翔のバイクだけ。
「もう8時か。」
「早いっすね。」
すっかり暗くなった夜の空を見ながら、呟いた。
邪魔されなかったら今頃奏多と花火、見てるんだろうな。
「あ、桃さんこれ。」
「ん?」