また君に恋をする
少し背伸びをして首に手を回す私の肩に、顔を埋める奏多はどこか寂しそうだった。
やっぱり白鷺の総長に、事情を聞いたんだとわかる。
「私…、強くなるね。」
「俺も。」
そう言ったあと少し離れたと思ったら、優しくキスをされた。
触れるだけの小さなキス。
「大好き。」
そう言ってまた奏多に手を回した時、薄暗い
この部屋に何か違和感を感じた。
…誰かと目が合った気がした。
いや、誰かに見られてる感じがした。
だけど、暗くて周りがよく見えない。
「帰るか。」
「あ、うん…、」
「春翔もありがとな。」
「はい。」
その場に納得しないのは私だけ。
奏多も春翔も何にもないように帰ろうとしている。
でもこの2人が何にも感じないなら、私の勘違い…。
一瞬でもそう思ったことが大間違いだった。