また君に恋をする
「ありがと…、」
「もう、笑ってくださいよ。」
気がつくと、勝手に出てくる涙。
今日はよく泣くな…。
「これは嬉し涙…、」
わからない。
何で泣いているのかなんて。
ただ、今私の周りにはたくさんの味方がいると実感できた。
春翔に拾ってもらったネックレスを、ギュッと握って奏多を想う。
遅いよ…。
早く戻ってきて。
「あ、奏多さん。」
「え?」
春翔に言われて、耳を済ます。
だんだんこちらへと近づく足音が聞こえた。
立ち上がった春翔に続いて私も立ちあがり、倉庫の中へ入る。
外からの光で見えた金色の髪。
間違いない、奏多だ。
「奏多!」
距離が1メートルくらいになって、やっと見えた奏多の顔。
傷1つない綺麗な顔にホッとしながら、私は彼に抱きついた。
「ごめん…、ごめんね…。」
「なんで桃が謝んの。」