また君に恋をする

…ああ、やばい。


こんな経験、何回もしてるから雰囲気には慣れている。


これからヤバくなるんだろうなって匂いもわかる。



…って、…え？


なんで私、そんなことわかるの？


そんな経験いつしたんだろう。




「お前が苦しめばあいつも苦しむ。お前が辛けりゃあいつも辛いだろ？」


「離して！なんの話してんのよ！」




思いっきり腕を振りほどき、それと同時に本気で蹴りを入れて、私は屋上を飛び出した。


無我夢中で誰もいない廊下を突っ走る。


まだ追いかけてくる足音が聞こえないことを確認しながら、私は靴箱に向かった。


運が良いのか悪いのか、校舎内には誰もいなくて助けを呼べる状況でもない。


このまま黙って見過ごすような男でもなさそうだし、追いかけてくるに決まってる。