また君に恋をする
私、何でこんな冷静に判断できるんだろう。
前にもこんな経験あったっけ…。
…それってどこでだろう。
一体、誰と…?
そう考えるとズキンと頭に痛みが走った。
考えるのをやめて、頭は帰る方向のことだけを考える。
人通りが多い道に出て、もう大丈夫だろうと歩くスピードを弱めた。
息を整えながら、いつものようにゆっくりと歩く。
明日、どうなっちゃうんだろう。
また呼び出されて、酷い目に遭わされちゃったりするのかな。
そんなことを考えていると、スカートのポケットの中で携帯が震えた。
「あ、芽衣。」
どうしたんだろう。
そう思って電話に出ようとした時、前方に見えたさっきの影。
…やば。
向こうはまだこっちに気づいてないけど、なんか人数増えてない?
私はポケットから取り出した携帯を握りしめて、家とは逆の方向へ走りだした。
見つかったら終わり。
私の心はそう覚悟したと思う。