LAST WISHI
ーしばらく走り続けて、いい加減うんざりした。
なんなんだここは?
出口が見つからない。
本当に何もない。
何も…聞こえない。
夢なら早く覚めて欲しい。
目が覚めたらきっと、全て思い出せる。
大切なものもきっとー
「ーきさん。」
ん?気のせいだろうか?何か聞こえたようなー・・・
何もない空間で辺りを見渡す。
が、やっぱり何もない。
「ーはるきさん!」
ハッと目を開けると、やっぱり薄暗い空間。
でも、真っ暗じゃない。
あぁ良かった。
ようやく目が覚めたんだ。
安堵してゆっくり瞬きすると、
「早く願い事言って!!」
聞き覚えのない声。
いや、俺を呼んでいた声が耳元で聞こえて飛び起きる。
誰だこいつ?
隣にいる少年に不審な目を向けると、
「もう時間がない!早く最期の願い事を!」
「最後の願い事?」
切羽詰まった表情につい、
「じゃあ・・・大切なものを見つけたい。」
知らない子供の質問に真面目に答えてしまった。
「あ…いや、分かったら早く出て行ってくれ。」
急に恥ずかしくなって、左手で顔を覆いつつ右手で少年をシッシッと追い払う。
が、
「良かった間に合った!では、早速行きましょう。」
「は?」
少年は満面の笑みを向けて、俺の手を引っ張った。
「なんなんだお前?」
手を振り払おうとして気付いた。
あれ?ここ、病院か?
医者や看護士、医療器具が沢山ある。
なんで?
「さぁ、早く行きましょう。」
状況を呑み込めないまま、俺は少年に連れられて部屋を出た。
だけど、誰も俺達を気に止めようともしない。
俺、誰かのお見舞いにでも来てたのか?