昨日の夢の続きを話そう
「僕はこうして澪ちゃんに会いに来たことが、幸せだったよ。とても」


ぼぼっと顔に着火したような効果音が鳴ったと錯覚をしてしまうくらい、一気に内側から熱くなった。

だって、なんか、すごい。
胸をグッと鷲掴むような、人生に二度とない告白をされた気分になった。

そんな私の心情を見透かすように、ルカさんは目を存分に細め、人差し指で私の頬をそっと擦る。


「赤い」
「……! ゆゆ、ゆ、夕陽のせい、です」


空から赤い光で照らされてるから、という私の渾身の言い訳を、相手は一蹴する。


「僕のせい、の間違いじゃなくて?」


ふふ、っと鼻で笑い、片眉だけ釣り上げるいたずらな笑い方で、私をまた困らせる。


「……っ」


私はくるりと踵を返した。

なんだか、すごく不思議……。
少年のような屈託のない一面もあれば、こういう、大人びた色気みたいなのも醸し出す。

ルカさんって、ほんと何者……?


「あのっ! こここれ、本当にありがとうございました!」


ウエルカムボードが入った紙袋を、私は両手で抱きしめるように持った。


「ルカさんがいてくれて、本当に良かったです! ひとりじゃ、ほんと途方に暮れるとこでした……」


ガバッと深く頭を下げた。

惨めさをひた隠した今日、罪悪感と戦う毎日。
意義のない、私の人生。

鈍色だった私の日常がちょっとだけ色づいたように思えた。
私の頬が今も真っ赤なのはやっぱり夕陽のせいじゃなくて。

ルカさんの影響で、私の世界は格段に、カラフルになる。
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