昨日の夢の続きを話そう
「青いの、似合ってた」
「……へ……?」


とく、とくと心臓が、駆け足から全力疾走になる。

浴衣、青……?

どうして__。


「おっといけない、喋りすぎた!」


いきなりシャキッと姿勢をただしたルカさんは、人懐こい笑顔でにっと笑う。


「僕、もう行かなきゃ」


そして。


「じゃあね! 澪ちゃん」


呆然とする私に片手を挙げて元気に言うと。


「楽しかったよ! ありがとう」


その手をぶんぶん大きく振って、半分だけ振り向く体勢で徐々に遠ざかってゆく。


「ま、待って……」


どうして知ってるの?


「ゆ、浴衣……?」


ルカさん、ねぇ待ってよ。


「ルカさんっ……!」


行かないでよ。


「聞きたいこと、まだたくさんあるのに……っ」


砂浜を走って、小さくなったルカさんの後ろ姿には、私の振り絞るような声は届かない。

手を伸ばしても、もう届かない。

ルカさんは、たしかに、私のすぐそばにいた。一時的に。


『僕はこうして澪ちゃんに会いに来たことが、幸せだったよ。とても』


視界の端で、青い鳥の羽根がふわりと舞った。




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