昨日の夢の続きを話そう
「え__……」


自然公園の入り口に張り巡らされた黄色のフェンスは、これでもかってくらい堂々とそびえ、しっかりと目に見えているというのに。

なにが起きているのか全く理解できない、なんて。

こんな荒唐無稽なこと、ある?


「こ、工事関係者以外、立ち入り禁止……?」


フェンスに貼られた看板に書かれた文字を、棒読みする。


『なんて言うのかな。ま、住めないこともないんだけど、ほかにもいろいろ渡り歩いてて』


「どこ、行っちゃったの……?」


目を凝らすと林の向こうに小屋がぼんやり見える。フェンスの網目をカメラのレンズのようにして、私は歩み寄ると小屋にフォーカスする。

落ち葉が積もり、まるで廃屋のよう。

一昨日までのメルヘンチックな輝きは、かりそめだったと言わんばかり、不思議と一切失われていた。

力なく私は、フェンスに額をあてる。大きく息を吐くと、鼻の奥がツンとした。


『じゃあね! 澪ちゃん』


昨日海で聞いた声が、空の彼方遠くで響いて。

ずっと、耳に残る。




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